【掲載紙】 | 日本農業新聞 |
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【発行日】 | 2009年3月23日(月) |
[高知]JA土佐れいほくが国と県の補助を受けて土佐町土居に建設していた米粉製粉工場が中旬、完成した。米粉に利用する「新規需要米」は生産調整の対象にならないため、地域の休耕田を有効活用し生産した米などで米粉を製造、農家所得の向上につなげたい考えだ。4月から本格的に稼動する。
製粉機は超高速回転で発生する気流を利用し、粒と粒を衝突させ粉砕する。成分を傷めることなく、上新粉よりも細かい粉末を製造できる。
JAは、米粉を県内のAコープ店やスーパー、産直店で販売。家庭用として1キロ525円、業務用として20キロ6300円で提供する予定。県内の生産者組織やJAグループから依頼に応じて委託製粉も行う。
JAではうどんやラーメン、ギョーザなどの商品の開発を進めている。また、同町のJA直販所「八菜館」隣に米粉パン工房を整備し、JA女性部加工グループ「米米ハート」(メンバー6人)が、60種類以上あるという米粉パンを4月4日から販売する。
米粉価格は現在、小麦粉の2倍以上だが、米粉用に収量の多い品種の利用・開発で原料の確保に努めていく考え。高知大学とも連携し、JA独自の米粉専用米を確立させたい考えだ。2009年度は、10ヘクタールで48トンの新規需要米を生産する計画。
JA管内は良食味米「相川米」の産地。JAは工場建設を機に従業委員を新規雇用しており、西村行雄組合長は「地元の生産を活発にし、地域に貢献したい」と話す。