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 「「アルファ米粉」で従来の米粉特性を改善、惣菜・練り物にも 用途拡大」

【掲載紙】 米麦日報
【掲載日】 2017年6月19日(月)

 

【シリーズ米用途改革Ⅲ】④ 西村機械製作所・米粉セミナー
≪「アルファ米粉」で従来の米粉特性を改善、惣菜・練り物にも用途拡大≫

 (株)西村機械製作所(西村元樹社長=写真)は14日、東京ビッグサイトで「米粉の新時代到来!」と題したセミナーを開催した。同社の「アルファ米粉」による米粉用途拡大の取組を紹介したほか、CAP.N(国内産米粉促進ネットワーク)の萩田敏副理事長が、来場者に向けて米粉の特性などを解説した。

 ▽「米ピューレパウダーの製造および100%米粉パンや洋菓子への用途拡大」(西村社長)
=昨年、ここでセミナーをした際に、米粉100%パンを作りたいと話したが、関西の農家や米粉料理研究家の方々とレシピ開発を進め、ようやく納得のいくものが完成した。開発のきっかけを遡れば、米粉が脚光を浴びだした2008年、農研機構の奥西智哉先生が発表した「ごはんパンに適した炊飯米特性と製造条件」という研究を拝見したためだ。従来の小麦パンに炊飯米を10~30%置換したらどうなるかという研究で、30%入れると非常に膨らむという結果が出ていた。現在の米粉パンはSNSの影響で広がりを見せ、ニーズも増している。当社の湿式気流粉砕機を導入している顧客からは 「もっと出口を広げていきたい」 という声が多い。我々もそれに応えて、パンは勿論のこと、パンケーキミックスや天ぷらミックスなどを増やし、それが顧客の生産稼働率向上に繋がるよう提案していく。
 ところで、2年ほど前から米ピューレなどが登場したものの、障壁があってなかなか広まっていない。つまり、保存や輸送にコストがかかる問題があるため、ピューレをアルファ化し粉砕して流通しやすくすることを考えた。アルファ化するだけならば炊飯して粉砕することも選択肢の1つだが、手間がかかるため、ポン菓子もしくはパフにして粉砕すればアルファ米粉が作れるとわかった。特にトウモロコシのパフマシンを米用に改良したところ大量生産が可能で、白米や玄米などにも対応し、原料米の品質が多少悪くても大丈夫だと判明した。パフマシンの原理を簡単に説明すると、少し水を加えて圧力と熱をかけ、一気に高圧で押し出すと膨化するというものだ。それを粉砕したものをアルファ米粉(ピューレパウダー)として提案している。粒度を調整することで様々な用途にも対応できる。
 実際のレシピとして、まず米粉クッキーにアルファ米粉を加えると、ひび割れが抑えられ、輸送中でも割れにくくなるといった特性が見られた。米粉パンの場合は、膨化率が約2倍となり、細かい気泡も確認された。パンケーキでも膨らみが良くなった。パンナコッタやプリンでは、食感が良くなり、パフで焼いているため香ばしさも出る。今後、グルテンフリー商品を増やしていくという意味では、一般惣菜でアルファ米粉を入れると増粘剤の替わりになる。たまごやツナサンドウィッチのフィリングに入れると、ボリューム感が増して、無添加という観点から機能性も良い。コロッケでもボリューム感が増し、油調中にパンクしなくなる。今後はこうした惣菜や練り物食品にも使って戴けるのではと考えている。

 ▽「新開発超小型米粉製粉機『フェアリーパウダーミル』」(同社・木下淳友氏)=当社は米粉に携わって84年になり、現在はパン用・麺用などの新規用途米粉に対応した湿式気流粉砕機に注力している。新規用途米粉に求められる特性としては、粒度が細かく粒の大きさが揃っていること、デンプンのダメージが少ないこと、水分が一定であることなどが挙げられる。湿式気流粉砕機は空気の発生量が多く、温度上昇が少なく製品へのダメージが少ない。また、原料同士がぶつかるため衝撃力が少なく、デンプンへのダメージも軽減できる。さらに、粒度分布はシャープかつ微粉だ。当社でも従来から製粉工場向けに毎時80kg、200kg、500kgの処理能力を持つ気流粉砕機を展開しており、小型化のニーズの高まりを受けて、2011年には小型気流式粉砕機「スーパーパウダーミルSPM-R200型」(毎時30kg)を発売した。湿式気流粉砕方式で製粉し、乾燥などの工程を省略して生粉の状態で加工ができるので、製粉ダメージが少ない商品を開発できるメリットがある。また、製粉前の水分調整によって、玄米も湿式気流方式で粉砕が可能だ。今後は超小型気流粉砕機「フェアリーパウダーミル」の店舗用タイプ(FPM-150S型)とラボタイプ(FPM-150L型)に力を入れていく。特にラボ用はパーツ交換、ローター回転数調整、気流の風量やスピード調整が可能で、様々な条件を組み合わせることで、今までに無い特長の米粉を作ることができる。ノングルテンブームの到来とガイドライン策定、日本米粉協会発足などで米粉が再び注目を集めており、今後はますますオリジナリティのある製品が求められていくだろう。当社も需要拡大のため、さらなる米粉普及を目指していく。

 ▽「『米粉の用途別基準』と『グルテンフリー食材としての米粉』」(CAP.N・萩田副理事長)=昨年からCAP.Nでは、農水省の委託事業で米粉の用途別基準とノングルテン表示を有識者と検討し、今年3月に発表した。委託を受けて策定したものではあるが、今後は5月に発足した日本米粉協会とともに、民間レベルでの活用方針を検討していく。
 まず、米粉に求められる品質や成分特性などは大きく6つに分けられるが、重要なのは粒度分布とデンプン損傷度、アミロース含有量だ。これらは加工事に大きく影響してくる。
例えば、パンはデンプン損傷度が低い米粉のほうが吸水量が減るため、結果的に膨らみが良くなる。また、高アミロース米を使えばしっかりとした成型が可能にもなる。とはいえ、ケーキなどはしっとり感を出すためにそれなりのデンプン損傷度が求められるため、一概にデンプン損傷度が低ければ良いというものでもない。
 今後、米粉業界で脚光を浴びる米は何かと言えば、まずは高アミロース米だ。今回の用途別基準では、アミロース含有率が高い「3番」のカテゴリの中でも、特に25%以上のものを「ハードタイプ」と分類している。ハードタイプの米粉は、需要が伸びると予想される麺やパスタへの適性が高い。また、精米に限らず、玄米や黒米などを米粉にすることも、機能性の観点から注目すべきだ。そうした意味では、大豆粉と米粉のミックスというのも今後は増えていくだろう。
 今回策定したノングルテン表示でのグルテン含有量は、欧米の20ppm以下という基準を大きく下回る1ppm以下になっている。今後は国内産米粉の輸出拡大にも寄与していくつもりだ。

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