「米粉パビリオン」実演
【掲載】 | 商経アドバイス |
【掲載日】 | 2025年6月16日(月) |
西村機械製作所や図司穀粉らが展開「米粉パビリオン」実演
多彩な企画で魅力をPR
(株)西村機械製作所(大阪府八尾市)の呼びかけにより、(株)図司穀粉(京都市南区)、(社福)一麦会ソーシャルファームもぎたて(和歌山県紀の川市)らが集まり、5月23〜24日に京都市内で開かれたオーガニックライフスタイルEXPOに参加。「米粉パビリオン」を設置し、各社の展示ブ ースが設けられたほか、米粉業界に携わる各人が 取り組みを語る「米粉トーク」を開催した。展示ブースでは、自社の自慢の米粉や米粉ミックス、米粉ケーキ、米粉クッキー、米粉かりんとうなどの加工品を展示・ 即売した。西村機械は会場内で米粉製粉機「フェアリーパウダーミル」による製粉作業を実演し、仕上がりの滑らかさや粒径の細かさを、来場者に確かめてもらった。 出展者からは「米粉パン実需者と、今後の見通しについて意見交換できた」「オーガニック米粉のあり方を話し合えた」「消費者と直接、触れ合えた貴重な場だった」などといった感想が聞かれた。
米粉パビリオンでは約40分持ち時間で、各人がこれまでの苦労や自社の事業展開について語った。
図司昌彦・図司穀粉常務は、品種によるアミロースとアミロペクチン含有率の違いが米粉の品質に及ぼす影響や、白未熟米が最終製品の食感や膨らみ、保水性に悪影響を及ぼす現状を報告した。農家が作ったコメを製粉にすることで好評を得ている「受託製粉サービス」や、コメ9㌔の持ち込みで団子に加工する「団子ソリューション」についても紹介した。
中原力哉・もぎたて代表は、障がい者の所得向上のために農業や米粉加 工品開発、飲食店を経営しながら「持続的な農業を目指す」との目標を掲げる。うるち米のアルファ化米粉に絞って、天然の増量剤や離乳食、介護 食、パンやケーキのしっとり感を求めるニーズに応えているという。
「米粉フォーエバー」と題して米粉の普及に努める田中崇仁氏は、地方自治体の職員ながら、産学官連携を掲げてさまざまなニーズを結び付け、消費者へ情報提供して普及に取り組んでいる。有機的な情報共有における"プロシューマー(生産消費者)"の重要性について持論を展開した。
清水鉄平・(株)テムザックマネージャーは、宮崎県延岡市で極限の省力化 による稲作を行うWORKROID農業を紹介した。同社は栽培したミズホチカラで「雷粉」と命名した米粉を製造し、洋菓子製造やイタリアンレストランで生かされているという。
西村元樹・西村製作所社長は、創業以来の米粉のかかわりを紹介したのち、平成15年に第1号となる米粉専用気流粉砕機を納入し、現在の湿式気流製粉機スーパーパウダーミル、フェアリーパウダーミルとつながる系譜をたどってみせた。湿式と乾式の米粉のデンプン損傷度の違いなどを説明したほか、2年後には350億円にまで伸びると予想される米粉市場に対して、米粉用米の供給量が不足する懸念につ いても触れていた。