米粉ニュース

「ビジネスモデルを提案」

【掲載紙】 日本食糧新聞
【掲載日】

2020年4月15日(水)

製粉機メーカー 西村機械製作所
6次産業化 ビジネスモデルを提案

 西村機械製作所は、でんぷん損傷が少なく微細製粉が特徴の気流粉砕機「スーパーパウダーミル」が強みで、パンやスイーツなど新規用途の加工に向いており、米粉需要創造に貢献している。
 パンや洋菓子専門店から、米粉を使った新食感ケーキやパンに対する要望が高まり、店舗の厨房に設置できる卓上サイズ「フェアリーパウダーミル」を誕生させた。
 発売後は、企業の商品開発室や研究機関のほか、地元食材を使ったパンやスイーツ、食品など、グルテンフリーを切り口として、多方面から引き合いが増えている。
 中でも、バームクーヘン製造機械のパイオニア・不二商会と一緒に、地元で採れたコメをその場で製粉し、乾燥工程を経ず生米粉のままバームクーヘンに加工して販売する、6次産業化ビジネスモデルを提案している。
 異業種の採用事例として、建築業の高堰組が3月、米粉バームクーヘン専門店「BAUMEN BROTHERS」(群馬県)をオープンした。おいしさはもとより女性のイメージが強いスイーツで、あえて「オトコギバーム」ブランドとして、とび職の男性が焼くユニークさが話題を呼び、行列ができる人気店となっている。
 このほか、地方創生の取組みの一環としては、道の駅や観光施設での導入も増加。地元農家と連携し、こだわりの有機野菜や高機能野菜の生産から、加工、販売、流通までを担い、地元農家の活性化を目指すアグリイノベーション神河(兵庫県)や、奈良県の明日香村振興公社からも導入され、新たなビジネスがスタートする。

 

BAUMEN BROTHERS 米粉バウムクーヘン専門店
ガテン系が運営

 群馬県邑楽(おうら)町に3月2日、誕生した「BAUMEN BROTHERS」。とび・土工工事など建築業を営む高堰組が運営する米粉バウムクーヘン専門店だ。多々良沼と白菜畑に囲まれたのどかな風景に、建築企業ならではのおしゃれな建物と、ガテン系男子を表したインパクトの強いイラストが人目を引き、「オトコギバウム」のブランド名で、「スイーツイコール女性」の定説を覆したミスマッチが人気を呼ぶ。
 そもそも高堰組は、地元でサツマイモを栽培するなど農業に事業領域を拡大する中で、地元活性化に貢献する新事業を模索し18年、高堰将徳社長が幕張メッセで開催された農業専門展「農業エキスポ」を訪れた。その際、バウムクーヘンオーブンのパイオニア・不二商会のブースで、地元で採れたコメをその場で製粉し、乾燥工程を経ず生米粉のままバームクーヘンに焼いて販売する、6次産業化ビジネスモデルに出会った。
 高堰社長はこの時、ブースで試食した印象について「従来バウムクーヘンといえば、固くてパサパサしたイメージだったが、米粉のバウムクーヘンは驚くほどしっとりと軟らかく、おいしかった」とする。
 一方、邑楽町にはスイーツ専門店がほとんどなく、「地元の名物にしたい」(高堰社長)と、事業化に踏み切った。「せっかくなら個性的な店を」と、建築イコール職人、イコールガテン系のイメージを前面に打ち出し、会社の根幹をなす「とび職人」をあえて、コンセプトとした。
 商品は、黒ごまと竹炭入り「オトコギバウム黒」とホワイトチョコレートにオレンジミンチを配合した爽やか風味が特徴の「同白」、白・黒2層に重ねた「同白黒」、さらにオトコギバウムのコンセプトに添った「同プロテイン」のソフトタイプ4品に、「ハードバウム」、真ん中の穴に爽やかなチーズクリームを詰めた「チーズインバウム」のハードタイプ2品を加え、合計6アイテムとした。
 商品には徹底的にこだわり、地元邑楽町産「ほしじるし」100%の原料米に、卵は、隣接する栃木県足利市の三田鶏園が展開する黄身の色が濃く濃厚な「力丸くん」を、「オトコギバウム白」以外で採用し、建築出身のオトコたちだけで手間暇かけ、じっくり焼き上げる。商品のおいしさとおしゃれ感、コンセプトのユニークさが人気を呼び、オープン当日、予想を大幅に上回る顧客が詰め掛け、完売した。その後、平日は臨時休業し商品を作りためる時間とし、週末だけ開業。ようやく4月1日から、水曜日のみ定休日の通常営業にこぎ着けたという。顧客は地元の人が多くを占めるが、ビジュアルの面白さから、インスタグラムを見た遠方からの顧客も増加し、今後地元食材を使った商品開発を進め、邑楽町を全国にアピールする考えだ。

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