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不二商会、ユーハイムと接点 期待高まる米粉バウムクーヘン

【掲載】 商経アドバイス
【掲載日】 2025年8月25日(月)

 

不二商会、ユーハイムと接点 期待高まる米粉バウムクーヘン
(株)
西村機械製作所

 米粉製粉機のパイオニアメーカー・(株)西村機械製作所(大阪府八尾市)はかねてから、バウムクーヘン焼成機の製造・販売や商品提案、店舗設計などプロデュースも行う(株)不二商会(神戸市兵庫区)と共同で米粉バウムクーヘンの普及に取り組んできた。昨年、不二商会がバウムクーヘンを日本で普及させてきたパイオニア・(株)ユーハイム(神戸市中央区)のグループ企業となり、新たな展開に期待が寄せられる。
 西村機械と不二商会のタッグはこれまで、小型の湿式米粉機「フェアリーパウダーミル」を31台、大型の「スーパーパウダーミル」を1台、農業法人や道の駅、異業種企業に納品してきた。ただ米粉のバウムクーヘンを焼いて販売するだけではなく、各企業の長所や地元産品などを生かした商品化や店づくりを行って地域の人を呼び込む起爆剤になるなど、地方自治体やマスコミからも注目されている。

 米粉で焼き上げると生地が米粉特有のしっとり食感になり、消費者からも「もっちり感が素敵」「米粉だとこんなに軟らかいのかと驚いた」「初めての味」など好評だ。湿式気流粉砕の米粉は製粉時の粉砕熱が抑えられ、デンプン損傷が少なく、きめ細かなしっとりした米粉ができる。不二商会は「日本人が好む洋菓子」にこだわり、店舗のプロデュースについては、「"思いを持って帰ってもらう"を形にした店」を心がける。
 西村元樹・西村機械製作所社長の勧めで試しに湿 式米粉でバウムクーヘンを焼いたところ、独特のおいしさに感動し、西村機械とタッグを組むようになった。小麦粉のバウムクーヘンと違い、藤波哲也・不二商会社長によると、米粉では火の通りが弱く、"蒸らし焼き"の工程を完璧にするために最適な焼き方を見つけるのに苦労したという。

 米粉バウムクーヘンに取り組むユーザーに対しては、その店独自の魅力を追求したメニュー作りから店舗デザインまで提案する。さらに開店4日前から不二商会で粉振り、生地練り、焼成、カ ット等の作業の研修を受け、開店後は不二商会の社員が出向き、4日にわたって一緒に作業するという徹底ぶりだ。 藤波社長によると「成功する人は"ハートのある人"です」という。あるとき、展示会に鳶職人 が現れ、「僕たちの仕事は作業が完成したら撤去される、陽の目を見ない仕事。ただ、作業員たちが合間にコンビニのスイ ーツを食べる際の笑顔を見ることが喜びです。今度は少しでも多くの人の笑顔を見られる仕事もしたくなった」との動機で、藤波社長に熱心に接してきたという。
 藤波社長はその会社の人たちの男らしさに惚れ こみ、「マッチョが人を元気に」とのコンセプト で、プロテイン入りバウム「バウムメンブラザースが焼く"男気バウム"」 を考案。いまではその店に来る人が絶えないほど人気になっている。福島原発事故後に立ち入り禁止区域から解除された桜の名所に店を構え、「生まれ育った街に人を呼び返したい」との思いだけで、町会議員を辞めて、米粉バウムクーヘンに賭ける人もいるという。ユーハイムグループに加わったことで藤波社長は、「すぐに米粉バウムクーヘンが海外に、というわけにはいかないだろうが、海外でもグルテンアレルギーは問題になっている。ユーハイムの知名度とともに、受け入れられていく可能性は広がるのではないか」との展望を抱いている。

 

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