米粉ニュース

「顧客志向で最適システム」

【掲載紙】 日刊工業新聞
【掲載日】

2021年4月22日(木)

◎顧客志向で最適システム
 化学品向け強化 成長戦略描く

 米粉用粉体機械 国内シェア6割

 粉体機械メーカーの西村機械製作所(大阪府八尾市、西村元樹社長)。米粉用の粉体機械は国内シェア6割を誇り、化学品やリサイクル向けも手がける。小麦粉やそば粉などの製粉機械を製造していた創業時から、現在は食の多様化に伴いカレーのスパイスやインスタント麺の粉末スープなどの製造設備が主力となっている。
 同社では粉砕や選別、混合、輸送、計量、充填など各種粉体機械の単体売りだけでなく、これらを組み合わせた粉体プラントシステムのトータルプランを提案する。
 顧客が扱う粉体に合わせた機械の設計や製作、据付からメンテナンス、さらに他社製の機械を組み込むことも可能だ。ただ、コロナ禍で設備投資を控える企業も多く、2021年も見通しは厳しいという。
 近年は米粉パンなどに使われる高品質な米粉を製造できる米粉気流粉砕機の拡販に力を入れる。17年に、小規模店舗向けに卓上型米粉粉砕機を発売。同機械の処理能力は毎時10キログラム。これまで製粉会社など向けに毎時30キログラムの処理能力がある中・大型機を展開してきたが、スモールスタートのニーズを捉えて開発した。
 地元産の米を製粉してその場でケーキやパンに加工する地域の洋菓子店やパン屋、道の駅で活用されている。最近は「バウムクーヘン店が全国各地にできつつある。手頃な価格で自分用にも贈答用にもなり、地域の名産品や特産品と掛け合わせて地元の名物として育てていこうという働きもある。」(西村社長)とし、順調に販売数を伸ばしている。
 一方で、人材育成体制の構築を急ぐ。20年度から新卒採用に切り替えたことが背景にある。従来、機械の設計を担う技術職は20-30代を中心に中途採用してきた。ただ「ここ数年大手企業が技術系の中途採用を拡大している流れもあり、なかなか人材が集まらない」(西村社長)ことを受けて方針転換し、社員の若返りも図る。
 今後は化学品向け機械で成長戦略を描く。化学関連で扱われるレアメタルなどの希少金属はより精度の高い計量技術が求められ、ニーズも多い。
 18年に「計量機事業課」を立ち上げ、本格的に始動した。現在の売り上げ構成比は食品向け機械が7割。西村社長は「大型プラントが多い食品向けに依存しがちになっている。化学品向けの割合を高め、食品と化学品でそれぞれ5割ずつにしたい」と意気込む。

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